医学生時代の話:大学の講義と勉強方法は?
分かりにくい大学の講義
大学の講義はとにかく分かりにくいです。これはいくつか理由がありますが、私が考える理由は次の3つです。
①大学の教員は研究者である
高校や予備校の先生は“教えることが専門”の人たちです。
一方で、大学の教員は基本的に“学問を追求すること”が仕事の研究者であり、教えることを専門としているわけではありません。要するに、研究に関しては一流でも講義方法や教授法といったことには全く無知もしくは関心がないので授業は結構いい加減です。それこそ、雑談で終わったり、自分の専門分野のマニアックな話に終始したりといった講義も多数ありました。出席日数がそれなりに大事であったので仕方なく出てはいましたが、(時効なので言いますが)私は早々に聞くことを諦めて寝ていたりしていましたね(笑)。
もちろん、講義が非常に上手い先生や非常に分かりやすく説明してくれる先生も多くいました。そう言った先生は人気があった印象です。
②字が汚い
今はパワーポイントを使いスライドで説明することが主流ですが、私がいた当時は板書で説明する先生もそれなりにいました。そういう先生に限って字が汚い、英語をやたら使う、字が小さくて見えないなどの問題点がありました。
今は板書で説明する先生が減っているようなのでそこまで問題になりませんが、当時は「もう少し習字の練習してほしいな…」とも思っていたほどでした(笑)
③やたらと説教する
他の大学はわかりませんが、なぜか当時は講義にきて説教をする先生が多かった気がします。もちろん、学生の態度が悪いのが要因ですが非常勤の先生が激怒して苦情が来ると言ったこともあったほどです。これはどっちもどっちな感じが否めないですが、いつの時代でも学生は学生であって、自由を謳歌する人が決していなくならないということでしょう。
もちろん、講義がめちゃくちゃ上手で今でもよく覚えている先生はたくさんいます。ただ高校や予備校に比べればその割合は非常に低いです。とはいえ、医師国家試験に合格するための場所でもあるので、もう少し講義をしっかりやる先生が増えても良いなと思っていた次第です。ちなみに近年は医師国家試験の合格率が問題となるため、熱心に講義する先生や外部で教え方が上手い人を招聘するようです。うらやましいですね(笑)
学生時代の勉強法
では、そういった講義が分かりにくい先生が居る中でどういう勉強法をすれば良いのでしょうか。
一般の大学がどうなのかは分かりませんが、医学部の低学年のうちは勉強をどう進めれば良いかよくわからず、色々試行錯誤して何とか試験を乗り切っていました。医学部は専門職養成という意味合いが強い反面、講義は教員ごとに伝えからがバラバラなので苦労したものです。
テストの乗り切り方にも通じますが、やはり①情報をしっかり収集、②過去問入手、③講義を真面目に聞くというのが王道なのかもしれません。特に、テストが過去問とどのくらい違うのか(逆に同じ度合いが強いのか)を聞いておくと、それに合わせた勉強が可能と言えます。
では過去問と違いガチンコの勉強が求められる場合はどうしようかという話になります。英語や統計学などの教養科目であれば、教科書・参考書があるはずなので、それをひたすら勉強するしかないと思います。また教員が配るハンドアウトなどはテストに出るエッセンスが詰まっている?ため熟読しておいた方が良いです。また講義中に出題範囲やポイントを教えてくれる先生もいるため、代返していたとしても友達から情報を収集しておきましょう。
解剖、生化学などの基礎科目の場合は参考図書を買って勉強した方が良いです。とはいえ、何だかんだでテストは難しく、最初は暗記することが非常に多く辛いと思います(私もそうでしたし、解剖は再試でした)。教員は理想的な勉強論を言うことが多いですが、それはある程度知識がある段階での話の理想論になります。最初は用語をしっかり覚えて、使えるようにしておくことが重要だと思います。下記にお勧め図書を示しますので、参考にしてもらえれば幸いです。
・カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版(日本医事新報社)
学生にとってはまあまあな値段ですが、解剖学・生化学・生理学とかなりの部分を網羅していて非常に便利な本です。少なくとも臨床医学に入る前まではずっと使える本なのでとてもお勧めです(私も使っていました)。
・イラスト解剖学(中外医学社)
解剖学で大事なのは、ポイントを掴むことです。この本はイラストという形を取っているので「この臓器のここがポイント」というのをイラストで理解できます。解説も詳しいのでお勧めの一冊です。