医学生時代の話:基礎科目とその実習のこと・・・

基礎科目

基礎科目とは、医学を学ぶ上で基盤となる科目のことです。解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、公衆衛生学、微生物学などが挙げられます。

解剖学は人体の臓器を顕微鏡レベルや肉眼で見たレベルで勉強する学問です。「この臓器の近くにこの血管があり関係性がある」「顕微鏡で見ると、この臓器は〇〇という特徴がある」などをひたすら勉強します。病理学は正常な構造をもとにして、病気になるとどのような変化が臓器に起こるかを学びます。病理学は今のように検査がない時代には病気の本質に最も近くなる学問と言われていました(今もそうなのですが)。

生理学と生化学は結構似ています。物質が身体に対してどう作用するか、外部からの刺激に対して身体がどのように対抗していくかを学びます。また分子生物学という、ミクロな反応を勉強するのもこのときと言えます(大学によって多少は違いがあると思いますが)。薬理学は、生理学や生化学の知識を基盤として薬が人体に作用するかを勉強します。

公衆衛生は予防医学の概念を含んでいて、どのようにすれば疾病を予防できるかや疾病が発生したときの情報収集手段を学ぶ学問です。また職場で発生した化学物質にどう対処すべきかも勉強します。

微生物学は文字通り、「バイキン」のことを学ぶ学問で細菌だけでなくウイルスについても勉強していきます。

どの科目も非常に覚えることが多いので、試験前はひたすら勉強していました。

当時は特に解剖、生理学、病理学は爆弾科目(再試験になりやすい)でしたので頑張って勉強したものです。まあ解剖学は再試でしたけどね(笑)

結局、この基礎科目を通過できる気力・学力・体力(結構実習は厳しいですし、試験勉強は体力勝負です)がなければ進級はできませんし、医師になれません。辛い時期になりますが、ひたすら頑張ってもらうしかないですね。

基礎科目を教えるのは医師ではない?

基礎科目は医師でない先生が多いのが特徴です。これは純粋に研究者として雇用され、研究を続けている人が多いためです。こういった先生は実際の病気の知識はそこまでありませんが、研究に関して非常の細かいところまで知識があるため、当時は凄いなと思っていたものでした。ただ、マニアックな知識が豊富でありテストは難解であることもあるため、我々としてはビクビクしていました(汗)

一方で教授は医師であることが多いです。これは色々な事情があると思いますが医学部である以上は医師免許がある方が良いということなのかもしれません(もちろん、今までの研究の実績が大事なのは言うまでもありません)。

厳しかった実習

基礎科目は覚えることが多いことに加えて、実習がかなり厳しいです。特に解剖学実習では実際の人体を解剖するため、数ヶ月単位で実習が行われます。ちなみに、この実習は教員とも一体感が出るため、この実習を乗り越えると色々な結束力が付くような気がします。

その他の実習も基本的には1ヶ月単位で行われることが多かったです。当時の医学部は学生数がそこまで多くなかったので、教員も実習を通して学生を覚えます。私のいた大学は地方にあったこともあり、意外と教員とも距離が近く飲み会も結構開催されていました。

こう振り返ると、厳しいながらもゆったりした状況もあったのが低学年時代だったと思います。まあもう一回やりたいとは思わないですし、今の記憶力では進級できませんね(笑)

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